偽善エコロジー

 

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書)

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書)

 

 

「レジ袋を使わない」「マイ箸を持つ」「冷房は28℃」「ゴミの分別」

 

どれも聞きなれた言葉。

しかし著者は全て意味がない。むしろ有害だと言う。

 

レジ袋はどんどん貰って使ったほうがいい。

箸もどんどん使ったほうが環境に良い。

冷房28℃なんて全く意味がない。

分別などせず全部一緒に捨てたほうがいい。

 

一瞬「えっ!?」と思う方も多いだろう。

僕も最初はそうだった。しかしそう感じる人は既に環境ファシズムに慣れきってしまっている。

著者は現在行われている環境問題対策、エコというものに対する欺瞞を提唱した第一人者。

 

一見トンデモ本かと思うが、そんなことはなくどれもちゃんとした理屈があり、思い返してみると上記したような環境対策の常識を疑うことなく盲信していた自分に気づく。

 

本書の構成は21項目に渡り今までの環境対策の常識を検証し、最後に著者の環境問題に対する総括的な章が入る。

21項目をバッサバッサと切っていくところは読んでいて気持ちがいい。

そして最後の章は著者の思想がガッツリ出ていて面白い。

 

著者はいわゆる近代合理主義の対極にある循環思想の持ち主。

もったいない精神で、物一つひとつを大切に使うことが大事だと主張する。

当たり前だと思っていることを一度疑い、環境問題は結局心の問題だという。

本書では業者や自治体によるリサイクルを嫌うが、自身による自主的なリサイクルは歓迎。

 

環境問題って難しい。

いま世界では環境問題に真剣に取り組んでいる国はほとんどない。

その理由は主に発展途上国との関係である。国の発展を優先すれば環境はもちろん破壊される。

しかし反対に環境を優先すれば発展途上国の貧しい人たちが犠牲になる。

諸刃の剣であり、日本という先進国であり環境について考える余裕のある我々は、細々した環境対策より、そういったもっと大局的な問題を考えなくてはいけない立場にあるのかもしれない。